緩和ケアが必要な患者との信頼関係を築くためのコミュニケーション方法として大切なのは、患者の気持ちを理解しようとする姿勢です。患者は体や心の痛みに対し、不安や恐怖を抱えていることがあります。そうした感情に寄り添うには、患者の話に傾聴することが大事です。患者が話しやすい雰囲気を作り、相手の声に耳を傾けることで自然と信頼が生まれてきます。話相手の目を見て適度に頷きや相づちを入れると、患者は自分が受け入れられていると感じるのです。
患者との会話では、共感することを心がけましょう。「辛いですね」と言うだけでなく、「そのような状況に置かれたら、多くの人が同じように感じるかもしれません」のように伝えると、患者は孤独感を和らげられます。また、患者が困難を乗り越えるうえでどんなサポートが必要かを知るためにも、共感は有効です。患者の気持ちを理解し、適切にサポートできることは、信頼を築く大きな一歩となります。
非言語的なコミュニケーションも、信頼関係を築くうえで欠かせません。顔の表情や身体の姿勢、声のトーンは、言葉以上に多くの情報を相手に伝えます。穏やかな表情やリラックスした姿勢で接することで、患者は安心しやすいのです。相手の表情やボディランゲージからも、その感情を読み取る努力が大事となってきます。患者が不安を感じているようであれば、適宜話す時間や内容を調整すると良いでしょう。
信頼関係を築くためには、コミュニケーションの一貫性も大切です。たとえば、約束したことは必ず守る、連絡をこまめに取るといった小さなことでも、積み重ねると大きな信頼につながります。情報共有の際には専門的な用語を避け、わかりやすい言葉を心がけましょう。患者が自分の状況を正しく理解できるようサポートすると、安心感を与えられます。